カーブという球種は、
野球を始めたばかりの小学校高学年か、中学生ぐらいの時に、
チェンジアップと並んで初めて学ぶ変化球だったという方も多いのではないでしょうか?
特に昭和や平成初期のころのピッチャーは、
このカーブが変化球の基本として学んでいた世代なので、
カーブの名手が多い印象があります。
しかし、平成半ばごろから
次第に150キロ超えの本格派ピッチャーがスライダーやフォークを決め球とし、
さらにカットボールなどの速くて変化の小さい変化球が流行るようになってから、
カーブを投げる投手が減ってきました。
しかし、そんなカーブを持ち球とする投手が減ってきたからこそ
逆にカーブを持ち球とする投手は目立ち始め、
ここ最近はカーブの重要性が見直されてきました。
そんなカーブについて見てみようと思います。
※全体の球種一覧についてはこちら
→ピッチャーの投げる球種の多様性〜球種一覧紹介〜 - うーま’s diary
◆カーブ種類と違い
カーブと一言で言っても、
カーブにも色々と個性があり、
スピードや曲がり方が人によって大きく違います。
実際以下のような呼び方の異なるカーブがあります。
①カーブ
→平均的な斜め落ちるカーブ
②パワーカーブ
→球速と変化量が大きいカーブ
③スローカーブ
→球速が遅く変化量が大きいカーブ
④ナックルカーブ
→ナックルのように人差し指を立てる変化量の大きいカーブ
⑤スラーブ
→スライダーのように横への変化が大きいカーブ
⑥縦カーブ
→横への変化量は小さく、縦に大きく割れるカーブ
カーブの場合は投げ方ではなく、
変化の仕方で名前をつけることが多い傾向があります。
◆カーブの魅力
長くトレンドだったスライダーやフォーク、
あるいはストレート系の変化球の場合、
リリース時の投球角度はストレートとそれほど変わらず投球することができます。
そのため、ストレートと見分けるのが困難で
バッターから空振りを奪いやすいというメリットがあります。
一方カーブの場合、
スピードが遅く、落差も大きいため、
リリースの瞬間からストレートとは全く異なる角度でボールを放つ必要があり、
バッターからはすぐに見極められてしまうというデメリットがあります。
しかし、長所と短所は表裏一体で、
この「異なる角度でリリースする」ために、
逆にバッターのチェックポイントより遥か上をいくため、
バッターの目線を変えるというメリットも存在しますし、
バッターのカウントが有利な場合はあまり手を出してきません。
つまり、カウントを稼ぐことができ、
次に投げるストレートや他の変化球を引き立たせる効果があるのがカーブなのです。
これは長いイニングを投げる先発投手にとっては非常にありがたい球種で、
オリックスの山本由伸投手や宮城大弥投手など、完投能力のあるピッチャーこそ、カーブを大事にしている印象があります。
◆カーブを投げる難しさとやりがい
カーブは野球少年なら誰もが最初に練習する基礎の変化球でありながら、
試合で使い物にするのはとても難しいという奥深い変化球です。
難しさの理由は、
「ストレートとは違ったリリース方法」
という点が大きいのではないでしょうか?
ストレートのリリースポイントとカーブのリリースポイントは明らかに異なるため、
ストレートでコントロール良く投げているとカーブを投げるのが難しく、
逆にカーブのリリースポイントに慣れすぎるとストレートの制球がつかなくなりがちです。
試合の痺れる場面で、
ストレートが来ると思っているバッターに対し、
嘲笑うかのようなカーブをバシっと決めるには、
確かな技術と練習が必須です。
しかし、だからこそカーブを操ることができた時は全く別の快感があるし、
投球の幅を広げてくれる素晴らしい変化球なのです✨