野球界で「ランニング不要論」という考え方があるのをご存知でしょうか?
元々、野球では「ランニング」がトレーニングの基礎として、 10㎞走るや、ポール間走数十本など、走るトレーニングを多くするのが慣習となっている節がありました。
そんな過去の練習方法に対して、 「ランニングってそんなに必要?」と疑問や否定を唱えるのが「ランニング不要論」です。
この考え方は、アメリカの最新のトレーニング論の考え方が入ってきたり、 メジャーのトッププレイヤーがランニングを練習メニューに取り入れていないという情報があったり、 数年前にはダルビッシュ投手が「ただ漠然と長距離走るだけのランニングはあまり効果があるとは思えない」と発言したことによって、 野球に携わる人たちの中で議論のネタに上がるようになりました。
もちろん、ランニングの必要・不要は一概に正解を出せるものではありませんが、 例えば上に挙げた例でダルビッシュ投手が「漠然と長距離を走ることに疑問」みたいな発言をした時、 それをメディアが端的に記事にします。
その情報を元に、SNS等で「ダルビッシュ投手がランニング不要論を唱えていたので、今馬鹿みたいにランニングするのはおかしい」みたいな発言を誰かが行い、 ダルビッシュ投手は「ランニング不要派」の代表格みたいな扱いをされたりしていました。
しかし、YouTubeの谷繁さんの動画で、谷繁さんがダルビッシュ投手に「ランニング不要論」について直接尋ねた内容を見ましたが、 ダルビッシュ投手は走るメニューが週に2回程度の塁間ぐらいのスプリント系しかやっていないと言っていた16歳のご自分の息子さんに対して、 「15歳、16歳ぐらいの年齢でスプリントだけっていうのは良くないと思い、(長距離)走るっていうのは脳にも良いので、たまには中距離、長距離走った方がいいよ」と伝えているとおっしゃっていました。
結論、ランニング不要論の代表格としてよく例に挙げられているダルビッシュ投手も、 よくよく聞くと「ランニングが全く不要」とは一言も言っていなく、 発言の一部だけを切り取って、情報だけが一人歩きすることってやはり多いなと思いました。
これは芸能人のゴシップ系の内容にも通ずると思いますが、 端的に流れてくる一つの断片的な情報を元に、安易に結論を出してしまうのは危ないなと改めて感じました。